日本財団 図書館


 

分効果で各点の明るさを増して、明瞭なコードとして表示される。
点幅は、θの間に受信されるレーダーパルス波に同期したSART応答波の回数hは、式1で求められ、hが多いと視認性の良いコード表示が得られる。

067-1.gif

式1分子の、レーダーアンテナの指向性θが2度、レーダーパルス波の繰り返し周波数(Pulse repetition frequency:PRF)が1KHz(1秒間に1000回)、分母のレーダーアンテナの回転数(Scan:S)が10rpm(1分間に10回)であるとすると、hは33回になる。レーダーアンテナの回転と共にブラウン管の半径方向の点列の映像もまた僅かずつ回転し乍ら33h(ヒット)略同じ部分の蛍光膜を叩き、受信したSART応答波が弱くても明るさが蛍光膜の残像効果で物理的に増幅積分されて、視認性が良いSARTコードの映像が得られる。多数のレーダーに応答した為に33ヒットの内の幾つかのヒットが抜けても、指示器ブラウン管の蛍光膜の残像によりSARTコードの明るさ(視認性)は変化しない事も確認されている。
レーダーパルス波の繰り返しの間隔が1000μs(1/PRF)の時は、SART応答波の継続時間τpが図3−5に示すように100μsであるので、単純計算で、1台のSARTがタイムシヤリングで最多10台の「多レーダー応答能力」を持つ事になる。なおτpを100μsとしたのは、常時使用される船舶/航空機レーダーの観測レンジ設定等を考慮したもので、遭難通報が無い場合でも発見のチャンスを増す事が期待できる。一方、自己のレーダーパルスに同期していない他のレーダーに対するSARTの応答を受信した場合、そのレーダーでは非同期の映像信号になる為に映像がブラウン管の半径方向に流れて蛍光膜の積分効果が得られず、「他のレーダー応答は表示されない」事も確かめられている。
b. 各点の半径方向の長さ Wd

067-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION